エフ琉球
株式会社エフ琉球

直接原価計算 損益計算書

変動費・固定費分解による粗利益分析
対象期間: 令和7年8月〜令和8年2月(7ヶ月累計) | 分析日: 2026年3月28日 | 作成: U&Iコンサルティング
限界利益
13.14億
限界利益率 52.6%
前期同期 67.8%
損益分岐点売上高
22.03億
安全余裕率 11.8%
前期同期 5.2%
固定費合計
11.59億
前期比 △42.3%
前期同期 20.10億
営業利益
1.54億
前期比 +41.0%
前期同期 1.09億
📋 直接原価計算 損益計算書(7ヶ月累計)
勘定科目 当期累計(A) 構成比 前期同期(B) 構成比 増減(A-B)
純売上高 2,496,830,440 100.0% 3,126,544,672 100.0% △629,714,232
【変動費】
原材料費 977,038,031 39.1% 801,211,431 25.6% +175,826,600
 ネット商品材料費 1,138,357,584 602,458,955
 梱包資材仕入 74,171,398 52,480,331
 期首原材料棚卸高 389,189,888 581,416,024
 期末原材料棚卸高(控除) △624,680,849 △435,143,879
運賃 206,139,293 8.3% 206,215,367 6.6% △76,074
変動費 合計 1,183,177,324 47.4% 1,007,426,798 32.2% +175,750,526
限界利益(Contribution Margin) 1,313,653,116 52.6% 2,119,117,874 67.8% △805,464,758
【固定費】
手数料(EC関連固定費) 900,460,913 36.1% 1,777,041,388 56.8% △876,580,475
 ネット販売原価(PF手数料) 337,137,741 13.5% 294,580,581 9.4% +42,557,160
 店舗発行クーポン 286,332,825 11.5% 1,127,182,422 36.1% △840,849,597
 ネット広告宣伝費 274,154,581 11.0% 345,668,454 11.1% △71,513,873
 販売促進費 2,503,722 0.1% 3,397,719 0.1% △893,997
 消耗品費 332,044 0.0% 434,658 0.0% △102,614
労務費 89,442,575 3.6% 79,673,606 2.5% +9,768,969
 給与(ネット販売) 83,781,575 76,683,606
 賞与 5,661,000 2,990,000
外注加工費 74,166,916 3.0% 62,496,835 2.0% +11,670,081
製造固定費 小計 1,064,070,404 42.6% 1,919,211,829 61.4% △855,141,425
販売費及び一般管理費 95,235,045 3.8% 96,168,279 3.1% △933,234
 役員報酬 18,280,000 27,380,000
 手数料(販管費) 25,989,087 8,445,218
 法定福利費 14,610,167 14,802,602
 その他販管費 36,355,791 45,540,459
固定費 合計 1,159,305,449 46.4% 2,015,380,108 64.5% △856,074,659
営業利益 154,347,667 6.2% 109,485,320 3.5% +44,862,347
営業外収益 7,360,963 0.3% 31,730,430 1.0% △24,369,467
営業外費用 5,395,330 0.2% 5,066,784 0.2% +328,546
経常利益 156,313,300 6.3% 136,148,966 4.4% +20,164,334
🎯 損益分岐点分析(CVP Analysis)
損益分岐点売上高(BEP)
22.03億円
固定費11.59億÷限界利益率52.6%
安全余裕率
11.8%
(実売上24.97億−BEP22.03億)÷実売上
安全余裕額
2.94億円
BEPを超える売上部分
CVPチャート(損益分岐点図表)
前期比較: 固定費構造の変化
安全余裕率が5.2%→11.8%に大幅改善。
固定費の大幅削減(20.15億→11.59億、△42.5%)により、損益分岐点が大きく低下。 売上が前期比△20%減少しても黒字を維持できる収益構造に転換した。
ただし安全余裕率11.8%はまだ薄く、目標15〜20%に向けた更なる固定費削減、または限界利益率の維持・改善が必要。
BEP指標当期前期同期増減評価
限界利益率 52.6% 67.8% △15.2pt 低下
固定費合計 1,159,305,449 2,015,380,108 △856,074,659 大幅削減
損益分岐点売上高 2,203,416,000 2,972,536,000 △769,120,000 改善
安全余裕率 11.8% 5.2% +6.6pt 改善
月平均BEP 314,774,000 424,648,000 △109,874,000 改善
経営安全率(営業利益/限界利益) 11.7% 5.2% +6.5pt 改善
📅 月次 直接原価計算P/L
勘定科目 8月9月10月11月12月1月2月累計
純売上高 335,752359,342349,413409,689345,361377,459319,8142,496,830
原材料費 158,606118,154123,570153,547154,885166,658101,617977,038
運賃 28,86631,42328,06829,51331,70130,24226,326206,139
変動費 合計 187,472149,577151,639183,060186,586196,900127,9441,183,177
限界利益 148,280209,765197,774226,629158,775180,559191,8701,313,653
限界利益率 44.2% 58.4%56.6%55.3% 46.0% 47.8% 60.0%52.6%
手数料(EC関連) 125,455128,774125,351135,710128,849136,723119,599900,461
労務費 10,33010,58412,39510,921 21,7522倍 11,68111,77989,443
外注加工費 11,23110,89910,10810,32811,26210,00310,33674,167
販管費 11,52511,38711,914 18,526+60% 11,769 20,663+79% 9,45195,235
固定費 合計 158,541161,645159,769175,485173,632179,070151,1641,159,305
営業利益 △10,260 48,12038,00651,144 △14,857 1,488 40,707154,348
参考: 全部原価計算ベース指標
売上原価(製造原価) 334,488299,835299,493340,019 348,449売上超 355,307269,6572,247,248
売上総利益(粗利益) 1,265 59,50749,92069,670 △3,088 22,152 50,158249,583
原価率 99.6% 83.4% 85.7% 83.0% 100.9%赤字 94.1% 84.3% 90.0%
粗利益率 0.4%異常 16.6% 14.3% 17.0% △0.9%赤字 5.9% 15.7% 10.0%
営業利益率 △3.1% 13.4% 10.9% 12.5% △4.3%赤字 0.4% 12.7% 6.2%
単位: 千円(率を除く)
外れ値・注意アラート一覧
🔴
8月: 粗利益率 0.4%(異常値)
売上原価が売上高の99.6%を占め、粗利益がほぼゼロ。期首の在庫評価・原価配賦の影響で、実質的に利益が出ない構造。原材料費率が47.2%と7ヶ月中最高であり、期首棚卸高の影響が大きい。
🔴
12月: 原価率 100.9%(売上原価が売上超過)
原価が売上を上回り粗利益がマイナス(△309万円)。営業利益も△1,486万円の赤字。年末の在庫評価損計上、または棚卸差異の影響が疑われる。12月は賞与支給(労務費が通常月の2倍: 2,175万円)も重なり、固定費も高水準。
🟠
1月: 粗利益率 5.9%(低水準)
原価率94.1%と高く、粗利益は2,215万円にとどまる。営業利益はわずか149万円(利益率0.4%)。原材料費が月商比44.2%と8月に次いで高い。仕入コストの上昇または売上構成の変化を精査すべき。
🟠
11月・1月: 販管費が突出(1,853万/2,066万)
月平均1,360万円に対し、11月は+36%、1月は+52%の水準。手数料(販管費)の集中計上や、交際接待費・旅費等の一時的増加が原因と推察。内訳の精査と、計上時期の平準化を検討すべき。
🟠
12月: 労務費 2,175万円(通常月の約2倍)
賞与566万円が全額12月に計上されたことが主因。賞与引当金の月次按分計上を導入すれば、月次損益の平準化が可能。
🔴
8月・12月: 限界利益率が50%を下回る
8月44.2%、12月46.0%と累計平均52.6%を大きく下回る。月間固定費(約1.6億円)を賄うには限界利益率50%超が必要であり、これらの月は構造的に赤字になりやすい。原材料費率の月次変動を抑制することが課題。
月次 限界利益 vs 固定費
月次 原価率・粗利益率・営業利益率
月次 限界利益率の推移
月次 粗利益率 vs 営業利益率
月次分析のポイント:
8月・12月は全指標が赤信号。粗利益率0.4%/△0.9%、営業利益率△3.1%/△4.3%と、構造的に赤字月
1月も要注意。粗利益率5.9%、営業利益率0.4%と辛うじて黒字
9月・11月・2月は良好。粗利益率15〜17%、営業利益率10〜13%で安定
・固定費は月1.5〜1.8億円で推移。粗利益率15%・月商3.5億以上を安定確保することが黒字の条件
🔍 限界利益率の変動要因分析
限界利益率が67.8%→52.6%(△15.2pt)に低下。 売上減少(△20%)に対して変動費(原材料+運賃)が+17.4%増加したことが主因。原材料費率が25.6%→39.1%に大幅上昇。
変動費内訳当期売上比前期同期売上比分析
原材料費 977,038,031 39.1% 801,211,431 25.6% +13.5pt上昇(主因)
 ネット商品材料費 1,138,357,584 45.6% 602,458,955 19.3% 仕入額が+89%増
 棚卸増減影響額 △235,490,961 +146,272,145 在庫積み増し影響大
運賃 206,139,293 8.3% 206,215,367 6.6% +1.7pt上昇(売上減影響)
変動費合計 1,183,177,324 47.4% 1,007,426,798 32.2% 変動費率+15.2pt上昇
構造的な要因分析:
前期は「低原材料費+高クーポン費(固定費)」構造 → 当期は「高原材料費+低クーポン費」構造にシフト。
結果として限界利益率は低下したが、固定費の大幅削減により営業利益は+41%改善。
これは、クーポンによる「見かけの売上」が減少し、実質的な商品販売の原材料費率が顕在化した構造変化と考えられる。

今後の改善レバー:
・原材料の仕入単価交渉(ロット拡大・仕入先見直し)
・在庫適正化による棚卸増減影響の安定化
・運賃の見直し(配送業者の比較・送料設定の最適化)
📊 経営シミュレーション(感度分析)
シナリオ 売上高 限界利益率 限界利益 固定費 営業利益 営業利益率
悲観: 売上△10% 2,247,147,000 52.6% 1,182,000,000 1,159,305,000 22,695,000 1.0%
現状維持 2,496,830,000 52.6% 1,313,653,000 1,159,305,000 154,348,000 6.2%
楽観: 売上+10% 2,746,513,000 52.6% 1,444,666,000 1,159,305,000 285,361,000 10.4%
限界利益率+5pt改善 2,496,830,000 57.6% 1,438,174,000 1,159,305,000 278,869,000 11.2%
固定費△10%削減 2,496,830,000 52.6% 1,313,653,000 1,043,375,000 270,278,000 10.8%
感度分析のポイント:
・限界利益率52.6%では、売上が現状から約11.8%(約2.9億円)減少すると損益分岐点に到達
・売上+10%で営業利益は2.85億円(+85%増)と大幅に増加 → 売上回復の利益インパクトが非常に大きい
・限界利益率を5pt改善(原材料費削減等)すれば営業利益は約2.79億円(+81%増)
・固定費10%削減(手数料見直し等)でも営業利益は約2.70億円(+75%増)
売上回復・限界利益率改善・固定費削減のいずれも高い利益感度を持つ

直接原価計算分析 総括

直接原価計算の視点で見ると、エフ琉球の収益構造は前期から大きく変化している。

前期は「クーポン大量投入(固定費11.3億)で高売上を作り、限界利益率67.8%で薄く利益を出す」構造だった。 安全余裕率はわずか5.2%で、売上が少し落ちれば赤字に転落するリスクの高い構造だった。

当期は「クーポンを大幅削減(2.9億)し、固定費を△42%圧縮。限界利益率は52.6%に低下したが、BEPが大幅に下がり安全余裕率11.8%を確保」する構造に転換した。

課題は限界利益率の低下。原材料費率が25.6%→39.1%に上昇しており、仕入価格・在庫管理の改善が限界利益率回復の鍵。 在庫適正化によるCCC改善と合わせ、限界利益率を55%以上に引き上げることを中期目標とし、安全余裕率15%超の収益体質を目指すべきである。