Executive Summary
2026年2月のMr. Sushi Ashmoreは、売上高$94,151(前年比+0.3%)とほぼ横ばい。
しかし中身は大きく変化しており、店舗売上-6.8%の減少をデリバリー売上+28.0%がカバーした構図。
デリバリー比率の上昇に伴いプラットフォーム手数料が増加し、原価率は40.0%→42.6%へ+2.5pt悪化。
加えて消耗品費の一時的急増(+$1,480)もあり、営業利益は$10,878→$7,893と前年比-27.4%の大幅減益。
営業利益率は11.6%→8.4%へ低下した。人件費は-1.9%と改善しているものの、
店舗客単価の低下($27.16→$25.92、-4.6%)と店舗日販の減少が構造的課題として顕在化している。
月商
$94,151
前年比 +0.3%
前年 $93,871
原価率
42.6%
+2.5pt 悪化
前年 40.0%
人件費率
37.1%
-0.8pt 改善
前年 38.0%
粗利率
57.4%
-2.5pt 悪化
前年 59.9%
営業利益
$7,893
前年比 -27.4%
前年 $10,878
📊 売上構成分析
🚗
Uber Eats
$21,186
22.5%
分析ポイント:
店舗売上(POS+現金)は$64,733(68.7%)、デリバリー+オンラインは$29,419(31.2%)。
Uber Eatsが全売上の22.5%と、デリバリーの中核を担う。前回コンサル(2026年1月)で広告ROAS 20倍が確認されたUber広告の継続効果が寄与。
ただしデリバリーにはプラットフォーム手数料(デリバリー売上の約30%)が発生するため、実質的な粗利は店舗売上と比較して大幅に低い点に留意。
💰 月次損益計算書 前年同月比較(P/L)
店舗客数
2,689
前年 2,753
-2.3%
店舗客単価
$25.92
前年 $27.16
-4.6%
店舗平均日販
$2,788
前年 $3,116
-10.5%
デリバリー客単価
$41.58
前年データなし
—
デリバリー平均日販
$978
前年 $796
+22.9%
労働分配率
64.7%
前年 63.3%
+1.4pt 悪化
| 勘定科目 |
2025年2月 |
構成比 |
2026年2月 |
構成比 |
増減額 |
YoY |
| 売上高(税抜) |
$93,871 |
100.0% |
$94,151 |
100.0% |
+$280 |
+0.3% |
| 店舗売上 |
$74,772 |
79.7% |
$69,701 |
74.0% |
-$5,072 |
-6.8% |
| デリバリー売上 |
$19,099 |
20.3% |
$24,451 |
26.0% |
+$5,352 |
+28.0% |
| 売上原価(税抜) |
$37,592 |
40.0% |
$40,093 |
42.6% |
+$2,501 |
+6.7% |
| 食材原価 |
— |
— |
$30,675 |
32.6% |
— |
— |
| PF手数料(デリバリー売上の約30%) |
— |
— |
$9,417 |
10.0% |
— |
— |
| 粗利益 |
$56,279 |
59.9% |
$54,059 |
57.4% |
-$2,221 |
-3.9% |
| 固定費合計 |
$45,402 |
48.4% |
$46,166 |
49.0% |
+$764 |
+1.7% |
| 人件費合計(Labor) |
$35,631 |
38.0% |
$34,958 |
37.1% |
-$673 |
-1.9% |
| 地代家賃 |
$6,131 |
6.5% |
$6,293 |
6.7% |
+$162 |
+2.6% |
| 水道光熱費 |
$1,361 |
1.5% |
$1,366 |
1.5% |
+$5 |
+0.3% |
| 消耗品費(Shop Items) |
$108 |
0.1% |
$1,588 |
1.7% |
+$1,480 |
+1,371% |
| 衛生費(Cleaning) |
$143 |
0.2% |
$143 |
0.2% |
$0 |
±0% |
| 帳簿費(Accounting) |
$400 |
0.4% |
$460 |
0.5% |
+$60 |
+15.0% |
| 修繕費 |
$257 |
0.3% |
— |
— |
-$257 |
— |
| 教育費 |
$575 |
0.6% |
— |
— |
-$575 |
— |
| コンサルティング費 |
— |
— |
$503 |
0.5% |
+$503 |
— |
| POSシステム使用料 |
$245 |
0.3% |
$283 |
0.3% |
+$38 |
+15.3% |
| 車両費 |
$145 |
0.2% |
$179 |
0.2% |
+$34 |
+23.3% |
| その他経費 |
$407 |
0.4% |
$394 |
0.4% |
-$13 |
-3.2% |
| 営業利益 |
$10,878 |
11.6% |
$7,893 |
8.4% |
-$2,985 |
-27.4% |
前年同月比 分析サマリー:
売上高は前年比+0.3%(+$280)とほぼ横ばい。ただし中身は大きく変化している。
店舗売上 -6.8%(-$5,072)の減少を、デリバリー売上 +28.0%(+$5,352)がカバーした構図。
デリバリー構成比は20.3%→26.0%へ拡大しており、Uber広告投下の効果が顕著。
営業利益は -27.4%(-$2,985)と大幅減。その主因は:
(1) 原価率の悪化(40.0%→42.6%、+2.5pt) — デリバリー比率の上昇に伴うPF手数料増が主因。粗利が$2,221減少
(2) 消耗品費の急増($108→$1,588、+$1,480) — 一時的要因の可能性が高いが要確認
(3) コンサルティング費の新規計上(+$503)
一方、人件費は -1.9%(-$673)と前年比で改善。家賃・光熱費も安定しており、固定費のコントロールは進んでいる。
店舗客単価の低下($27.16→$25.92、-4.6%)と店舗日販の減少(-10.5%)が最大の構造課題。
🎯 FL比率分析(食材費+人件費)
FL比率67.3%は目標60%を7.3pt超過。人件費率(37.1%)が主因。売上$94,151に対し人件費$34,958は過大であり、売上回復または人員適正化が必要。
F(食材原価率)
30.2%
$28,434
目標35%以下 - 達成
L(人件費率)
37.1%
$34,958
業界目安 28〜35% - 超過
FL比率合計
67.3%
$63,392
目標 60%以下 - 超過
労働分配率
64.7%
人件費/粗利
目標 50%以下
FL比率 構成バー
F: 30.2%
L: 37.1%
超過 +7.3pt
FL改善シミュレーション:
Case A: 売上$110,000達成時(人件費据置) → FL比率 = 25.8% + 31.8% = 57.6%(目標達成)
Case B: 人件費$2,000削減(売上据置) → FL比率 = 30.2% + 35.0% = 65.2%(改善だが未達)
Case C: 売上$105,000 + 人件費$1,500削減 → FL比率 = 27.1% + 31.9% = 59.0%(目標達成)
→ 売上回復が最もインパクトが大きい。人件費削減のみでは不十分
🍣 原価構造詳細分析
| 原価項目 |
金額 |
売上比率 |
原価内構成比 |
備考 |
| Food COG(食材) |
$26,245 |
27.9% |
65.5% |
良好 マネージャー値下げ交渉が奏功 |
| Drink COG(飲料) |
$2,189 |
2.3% |
5.5% |
適正 |
| Delivery Cost(配達手数料) |
$9,411 |
10.0% |
23.5% |
原価の約1/4 |
| Packaging(包材) |
$2,128 |
2.3% |
5.3% |
テイクアウト比率に比例 |
| Purchases(仕入) |
$120 |
0.1% |
0.3% |
- |
| 原価合計 |
$40,093 |
42.6% |
100.0% |
- |
デリバリーコストの影響:
配達手数料$9,411は原価全体の23.5%を占める。プラットフォーム手数料はデリバリー売上の約30%と非常に高く、デリバリー売上$24,451(Uber+DoorDash)に対し約$7,335が手数料として差し引かれる計算。
これに食材原価を加えると、デリバリーの実質粗利率は店舗売上と比較して大幅に低い。
→ Uber/DoorDash上の価格5%値上げ(前回コンサルで合意済み)を早急に実行すべき。
🏦 貸借対照表分析(B/S)
前期の債務超過を解消。純資産$28,389と黒字体質が定着しつつある。ただし自己資本比率7.7%は依然として低く、利益の積み上げ継続が必要。
| 資産の部 |
| 流動資産合計 |
$156,074 |
| 銀行預金 |
$90,842 |
| 電子清算勘定 |
$15,158 |
| 手元現金 |
$100 |
| 銀行保証金 |
$34,975 |
| 棚卸資産 |
$15,000 |
| 固定資産合計 |
$52,984 |
| 車両(純額) |
$52,984 |
| 店舗・厨房設備(純額) |
$0 |
| のれん |
$155,000 |
| ウェブ開発費 |
$2,600 |
| 資産合計 |
$367,059 |
| 負債・純資産の部 |
| 流動負債合計 |
$69,841 |
| 買掛金 |
$4,987 |
| GST負債 |
$37,217 |
| PAYG源泉徴収 |
$13,404 |
| 退職年金未払 |
$12,871 |
| 固定負債合計 |
$268,829 |
| S&Co Pty Ltd借入 |
$68,600 |
| 松下ひふみ氏借入 |
$102,324 |
| 松下宗一郎氏借入 |
$39,037 |
| Aimi Lenz氏借入 |
$33,000 |
| 割賦購入(純額) |
$25,867 |
| 負債合計 |
$338,670 |
| 純資産合計 |
$28,389 |
| 当期利益 |
$19,717 |
| 利益剰余金 |
$17,223 |
親族借入$242,961が主因。利益積上げで改善中
現預金$106,100 / 月商$94,151。キャッシュの厚み増加が課題
B/S構造の特徴:
総資産$367,059のうちのれん$155,000(42.2%)が最大の資産項目。これは前オーナーからの事業買収時に計上されたもの。
固定負債の大部分は親族借入$242,961(71.7%)であり、銀行借入はゼロ。
前回コンサルで指摘した通り、外部金融機関からの借入を検討し、親族借入の整理と信用力の構築を進めるべき。
店舗設備・厨房設備は全額償却済みであり、設備更新投資の時期も検討が必要。
📈 月次売上トレンド(コンサル議事録ベース)
| 月 |
売上高 |
主要イベント |
評価 |
| 2024年8月 |
$110,908 |
コンサル開始月。高水準 |
良好 |
| 2025年7月 |
$100,000+ |
久しぶりに10万超え |
回復 |
| 2025年10月 |
$111,000+ |
値上げ後最高水準。Uber急伸 |
最高値 |
| 2025年12月 |
$103,194 |
粗利率57%。HP制作費計上 |
安定 |
| 2026年2月 |
$94,151 |
ホリデー後閑散期。最低ライン未達 |
要改善 |
トレンド分析:
2025年9月の値上げ(平均5%)以降、10月に$111,000超の最高水準を記録。しかし1〜2月はオーストラリアのホリデーシーズン後の反動で需要が低下。
2月のコンサルでも「例年の最低ラインにも届かず」と報告されており、季節変動への対策が課題。
ただし1月は前年比+2%であり、通年では成長基調。2月は構造的な弱月と位置づけ、コスト管理で利益を確保する方針が妥当。
🏢 企業・店舗概要
所在地
5/406 Southport Nerang Rd, Ashmore QLD 4214
業態
回転寿司・日本食レストラン(Licensed Cafe)
営業時間
月〜土 11:30-20:00(水〜金は20:30まで)/ 日曜定休
Googleレビュー
4.6 / 282件(2026年2月時点)
主要デリバリー
Uber Eats(4.8評価)、DoorDash、自社オンライン
コンサル開始
2024年9月〜(U&I 上間喜壽氏)
競合環境:
アシュモア5km圏内に日本食店7〜8店舗。主要競合はSushi Train Nerang(豪州トップクラス売上)、Sushi Train Ashmore(3km圏)、丸屋 Japanese(Helensvale)。
Mr. Sushiの強みは「早い・美味しい・接客」の3点。座って食べられる和食店は少数であり、価格競争力もある。
マクロ環境: 豪州政策金利3.85%(5月追加利上げの可能性)。食品インフレ率+3.1%。最低賃金は2025年7月に3%上昇済み。
🎯 KPI・損益分岐点分析
損益分岐点売上
$80,397
固定費/粗利率
$46,166 / 57.4%
損益分岐点比率
85.4%
BEP/実売上
70%以下が理想
安全余裕率
14.6%
(売上-BEP)/売上
30%以上が理想
目標売上時の安全余裕率
26.9%
$110,000基準
目標達成で大幅改善
損益分岐点チャート
損益分岐点の解説:
2月の固定費(経費合計)$46,166に対し、粗利率57.4%で除すと損益分岐点売上は$80,397。
実売上$94,151との差額は$13,754(安全余裕率14.6%)と余裕は限定的。
2024年9月コンサル時の損益分岐点$72,938〜$77,824と比較すると、松下氏の給与計上によりBEPが上昇している。
→ 売上$110,000を維持できればBEP比率73.1%と安定経営圏に入る
💡 コンサルティング提案
最重要 / 即時対応
人件費の適正化
人件費率37.1%(労働分配率64.7%)は目標を大幅に超過。
閑散期の月火水のシフト最適化、機械化投資の検討、スタッフのマルチスキル化により$2,000〜$3,000/月の削減を目指す。
想定効果: 人件費率2〜3pt改善 → 営業利益率+2〜3pt
最重要 / 短期
デリバリー価格の値上げ(5%)
Uber/DoorDashのプラットフォーム手数料はデリバリー売上の約30%と高額。デリバリー売上の実質粗利率は店舗より大幅に低い。
デリバリー価格を5%値上げし、プラットフォーム手数料の負担を軽減する。
想定効果: 月$1,200〜$1,500の粗利改善
重要 / 中期
閑散期(1〜2月)の売上底上げ戦略
2月は構造的な弱月。BtoB注文の開拓(学校・企業ケータリング)、季節限定メニュー投入、Uber広告の月火水集中投下で底上げを図る。
BtoB大口注文($500/件)の実績を活かす。
想定効果: 月商$5,000〜$10,000の底上げ
重要 / 中期
廃棄ロス管理の徹底
前回コンサルで「原価悪化は仕入単価ではなくロス管理の問題」と指摘。廃棄記録の毎日記録、回転寿司レーンの適正投入量管理を制度化し、食材ロスを可視化する。
想定効果: 原価率1〜2pt改善 → 月$1,000〜$2,000
推奨 / 中長期
資金調達と財務基盤の強化
自己資本比率7.7%は脆弱。銀行借入ゼロ・親族借入$242,961の構造は金融機関から見て信用力に欠ける。
日本法人設立による融資ルート確保、3期連続黒字による信用力構築を進める。
想定効果: 財務安全性の向上・次期出店の資金基盤
参考 / 継続
Google評価4.7達成に向けた施策継続
現在4.6(282件)。4.7達成には約40件の高評価レビューが必要。会計時の声かけ、QRコード設置を継続。
Googleマップでの動画コンテンツ強化も検討。
想定効果: 新規客の自然流入増加 → 広告費削減
総合評価・次回コンサルに向けて
2026年2月は閑散期として売上$94,151にとどまったが、
純利益率8.4%はオーストラリア飲食業界平均(5〜10%)の上位に位置しており、
コンサル開始から約1年半で「P/L安定化」という当初目標は概ね達成されつつある。
今後の焦点は「営業利益率20%」への引き上げ。
そのためには (1) 人件費の適正化(労働分配率50%以下)、(2) デリバリー収益構造の改善、(3) 閑散期の売上底上げ の3点が鍵。
中長期的には2店舗目の出店準備として、標準化(マニュアル・チェックリスト)の整備、
予算管理の高度化、資金調達ルートの確保を並行して進めていくべき段階にある。