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第1話 Atlas Daily Special Report

沖縄県知事選 定量分析レポート

直近3回(2014・2018・2022)の投票データ分析
SECTION 01 ― 3回の知事選 全体概要
第12回
2014 年11月16日
有権者数
109.8万人
投票率
64.13%
総投票数
70.5万票
翁長雄志
51.6%
360,820票 当選
仲井眞弘多
37.3%
261,076票
下地幹郎
9.9%
69,447票
オール沖縄(翁長)vs 自民(仲井眞)の票差 +99,744票

※喜納昌吉氏(民主・7,821票)も出馬。有効投票合計:699,164票

第13回(翁長知事 死去に伴う)
2018 年9月30日
有権者数
114.7万人
投票率
63.24%
総投票数
72.5万票
玉城デニー
55.1%
396,632票 当選
佐喜真淳
43.9%
316,458票
玉城 vs 佐喜真(自公維)の票差 +80,174票

※他に兼島俊(3,638票)・渡口初美(3,482票)も出馬。過去最多得票(39.6万票)を記録

第14回
2022 年9月11日
有権者数
116.6万人
投票率
57.92%
総投票数
67.5万票
玉城デニー
50.8%
339,767票 当選
佐喜真淳
41.1%
274,779票 敗北
下地幹郎
8.0%
53,673票
玉城 vs 佐喜真の票差 +64,988票

統一教会問題が佐喜真陣営に打撃。票差は18年比で縮小

SECTION 02 ― 投票率トレンドと有権者動向
投票率・有権者数・実投票数 の推移
選挙年 有権者数 投票率 前回差 実投票数 オール沖縄票 保守系票 票差(保守の負け幅)
2014年 1,098,337 64.13% +3.27pt 705,551 360,820 261,076 ▲99,744票
2018年 1,146,815 63.24% ▲0.89pt 725,308 396,632 316,458 ▲80,174票
2022年 1,165,610 57.92% ▲5.32pt 675,219 339,767 274,779 ▲64,988票

※2014年保守票=仲井眞(261,076)のみ計上。2022年には下地53,673票が存在(保守分裂票として一部重複)

有権者数と投票参加者数の比較
2014年 ― 有権者109.8万人 / 投票70.6万人(64.1%)
64.1%
2018年 ― 有権者114.7万人 / 投票72.5万人(63.2%)
63.2%
2022年 ― 有権者116.6万人 / 投票67.5万人(57.9%)
57.9%

→ 有権者数は増加(+6.7万人)しているにもかかわらず、実投票数は2018年比▲50,089票。棄権者が大幅増加。

SECTION 03 ― 年代別投票率(沖縄県選管 抽出調査)
知事選 年代別投票率の推移(3回比較)
年代 2014年知事選 2018年知事選 2022年知事選 3回の変化 投票行動の特徴
18〜19歳 47.27% 47.55% +0.28pt 選挙権付与(18歳)後ほぼ横ばい
20代 47.40% 44.90% 42.96% ▲4.44pt 3回連続で低下。最も低い年代帯
30代 57.78% 57.29% 52.25% ▲5.53pt 急落。最も伸び代がある世代
40代 66.41% 65.50% 58.11% ▲8.30pt 3回で▲8.3ptの大幅下落★要注目
50代 72.77% 72.20% 67.13% ▲5.64pt 高水準を維持。主要票田の一つ
60代 77.70% 76.83% 73.94% ▲3.76pt 最も投票率が高い現役世代
70代 78.14% 77.88% 76.90% ▲1.24pt 最高投票率。安定したシニア層
80代以上 52.92% 51.88% 54.36% +1.44pt 高齢だが期日前投票活用で安定

※沖縄県選管の抽出調査(全市町村対象)。2022年は北谷町選管データ(全体投票率60.56%)も参照

2022年知事選 年代別投票率(ビジュアル)
20代
42.96%
最低
30代
52.25%
↓急落
40代
58.11%
↓▲8pt
50代
67.13%
60代
73.94%
高い
70代
76.90%
最高
SECTION 04 ― 支持層クロス分析(2022年)
支持政党別 得票率(2022年 出口調査・報道機関推計)
支持政党 推定有権者比率 玉城デニー(オール沖縄) 佐喜真淳(自公) 注目点
自民支持層 〜20% 〜25% 〜70% 自民支持の3割が玉城に流出
公明支持層 〜8% 〜25% 〜70% 自公合わせて約7割を固めた
立憲支持層 〜6% 〜78% 〜10% ほぼ玉城一択
共産支持層 〜5% 〜90% 〜5% 最も固い玉城票
無党派層 ★ 〜50% 58〜60% 〜28% 最大票田!ここで大差がついた

※各社出口調査・報道機関推計を総合した概算値

年代別 支持傾向(2022年)
年代 優勢候補 傾向 2026年への示唆
10〜20代 佐喜真 優勢 経済・就職に関心高い。基地よりも生活重視 保守系は若年層の支持傾向を活かせるか。オール沖縄は基地以外の争点設定で巻き返せるかが鍵
30代 佐喜真 優勢 子育て・教育・住宅ローン世代 両陣営とも生活政策の訴求力が問われる。投票率低下への対応が共通課題
40代 玉城 優勢 働き盛り。基地問題への関心も高い 保守系にとっては最重要攻略層。オール沖縄にとっては優位を維持できるかの正念場
50〜60代 玉城 優勢 投票率高く、オール沖縄の組織票の中核 オール沖縄の牙城。保守系は一部切り崩しが現実的目標。現職批判票の受け皿になれるか
70代以上 玉城 優勢 最高投票率。革新系組織票が強固 革新系の固い地盤。大きな変動は見込みにくいが、世代交代の影響に注目
SECTION 05 ― 「あと何票必要か」の逆算
勝利条件シミュレーション
2022年の結果:玉城339,767票 vs 佐喜真274,779票(差:▲64,988票)
2026年も同様の投票率(57.9%)・同規模の有権者(約120万人)と仮定すると、総投票数 ≒ 695,000票 前後。
過半数ラインは約 348,000票。保守系候補が逆転するには2022年の佐喜真得票(274,779票)から最低でも +7.4万票 の上積みが必要。
一方、オール沖縄候補が議席を防衛するには2022年の玉城得票(339,767票)を維持しつつ、保守系の上積みを上回る票の確保が求められる。
票の獲得構造分解 ― 保守系候補の逆転シナリオ
票の種類 2022年の保守系得票(推計) 上積み余地 注目ポイント
自民固定票 約90,000票 ほぼ確保見込み 党組織の引き締めと公明との連携維持が前提
公明票 約55,000票 ほぼ確保見込み 推薦が得られるかが鍵
維新・国民民主等 約20,000票 上積み可能 「改革・中道」軸での吸収が課題
無党派層 ★★★ 約75,000票(28%) 最大の上積み余地 獲得率を40%超に引き上げられるかが勝敗を分ける
下地票の行方 —(2022年下地票53,673) 争奪戦 保守・オール沖縄双方にとって取り込み対象
参政党・保守系新興 2022年は自主投票 +1〜2万票の余地 連携の有無で変動
オール沖縄候補の防衛シナリオ
2022年の玉城得票:339,767票。保守系との票差:+64,988票
オール沖縄候補にとっての課題は、投票率低下に伴う組織票の目減りと、無党派層の維持。
2022年は無党派層の58〜60%を獲得したが、現職の実績評価や争点設定次第でこの比率は変動しうる。
革新系固定票(立憲・共産・社民等)の確保に加え、無党派層の過半数獲得を維持できるかが防衛の鍵となる。
SECTION 06 ― 棄権者分析(隠れた票田)
棄権者の規模推計
選挙年棄権者数(推計)前回比
2014年392,786人
2018年421,507人+28,721人増
2022年490,391人+68,884人増

2022年の棄権者数は 49万人
玉城の得票(34万票)を大きく上回る。

棄権者のプロファイル推計
20代 棄権者(有権者の57%が棄権)
57%
30代 棄権者(有権者の47.75%が棄権)
47.75%
40代 棄権者(有権者の41.89%が棄権)
41.89%
60代 棄権者(有権者の26%が棄権)
26%
SECTION 07 ― データから読み取る6つの構造的洞察
▲65K
票差は縮小傾向にある
オール沖縄と保守系の票差は2014年(▲99,744票)→2018年(▲80,174票)→2022年(▲64,988票)と3回連続で縮小。保守系にとっては追い上げの勢いが持続しているが、オール沖縄にとっては防衛ラインの確保が急務。2026年は過去最も接戦になる可能性がある。
保守系:追い上げ基調 オール沖縄:防衛態勢が必要
49万人
棄権者は最大の「隠れた票田」
2022年の棄権者は49万人超。当選者の得票(34万票)を大きく上回る。この棄権者層(特に20〜40代)をどちらの陣営が取り込めるかが勝敗を左右する。棄権層は既存の政治対立に距離を置いている層と推測され、新鮮なメッセージや具体的な生活政策に反応する可能性がある。
両陣営にとっての最大ターゲット 新規有権者も含む
40代
40代の投票率急落が最大のシグナル
40代の投票率は2014年(66.4%)→2022年(58.1%)と▲8.3ptの最大下落。この世代は子育て・教育費・住宅ローンで最も生活の苦しさを感じている層であり、かつ有権者数が最も多いボリュームゾーン。両陣営にとって、この「眠れる40代票」を動かす政策とメッセージが勝敗の鍵を握る。
40代の掘り起こしが勝敗を決める
58% vs 28%
無党派層の獲得率が勝敗を決定づけた
2022年、オール沖縄の無党派層獲得率は58〜60%、保守系は約28%。有権者の約半数を占める無党派層でこの30ptの差が最大の勝因/敗因。保守系が獲得率を40〜45%に引き上げれば約3〜4万票の純増が見込める。逆にオール沖縄がこの優位を維持できれば防衛は堅い。
無党派層が最大の激戦区
30代↓
若年層は保守優位だが投票率が低い
出口調査によれば30代以下では保守系候補が優勢だった。しかし、この世代の投票率は最も低い。保守系にとっては「支持はあるが投票に来ない」層であり、オール沖縄にとっては「投票率が上がると不利になりうる」世代。若年層の投票行動が2026年の結果を大きく左右する。
保守系:投票率向上が直結 オール沖縄:若者への浸透が課題
総合
2026年は「構造的接戦」の条件が揃いつつある
票差縮小トレンド、若年層の保守優位、40代の投票率急落、棄権者49万人という構造は、2026年が過去最も接戦になる可能性を示唆している。ただし、候補者の資質・争点設定・外部環境(政権支持率・経済情勢等)によって大きく変動しうるため、構造的優位だけでは結果は決まらない。
過去最大の接戦へ 候補者・争点次第で変動
SECTION 08 ― 2026年知事選の注目ポイント
01
無党派層の争奪戦 ― 有権者の半数を巡る攻防
2022年最大の勝敗要因は無党派層の獲得率差(約30pt)。保守系候補の課題は獲得率28%を40%超に引き上げること。経済・暮らし重視のメッセージで無党派層に刺さる政策を打ち出せるか。一方、オール沖縄候補は58〜60%の高い獲得率を維持する必要があり、現職の実績や政策継続の訴求力が問われる。
保守系:獲得率40%超が必須オール沖縄:過半数維持が防衛線
02
40代の「棄権票」をどちらが掘り起こすか
40代は投票率が最も急落した世代(▲8pt)であり、かつ最大ボリューム世代。子育て・物価・賃金・住宅に特化した政策パッケージで「あなたの暮らしが変わる」という具体的なビジョンを届けられた陣営が有利になる。基地問題だけでは動かない層に、生活政策で訴求できるかが分水嶺。
40代戦略が勝敗の鍵生活政策の具体性
03
若年層の投票率変動 ― 上がれば保守有利、下がればオール沖縄有利
20〜30代は保守系候補に傾いているが投票率が低い。この世代の投票率が5pt上がれば純増2〜3万票が保守系に流れる計算。保守系にとってはSNS・ショート動画・若者参加型イベント等での投票率向上が直接的な票増につながる。オール沖縄にとっては、若年層への政策浸透と支持の裾野拡大が守りの戦略となる。
投票率が構図を変える両陣営のSNS戦略に注目
04
票差縮小トレンドの継続性 ― 構造変化か一時的現象か
▲10万→▲8万→▲6.5万という縮小トレンドが2026年も続くかどうか。保守系にとっては「勢いがある」というナラティブの構築材料となり、オール沖縄にとっては危機感の醸成と組織固めの契機となる。ただし、候補者の魅力・外部環境(政権支持率、経済情勢、基地問題の展開)によってトレンドは反転しうる点に注意が必要。
構造的変化の検証外部要因による変動リスク

出典:沖縄県選管公式・沖縄タイムス・琉球新報・Wikipedia(各年知事選挙)・北谷町選管(2022年年代別投票率PDF)・沖縄県選管年代別投票率PDF
本資料は公開情報に基づく定量分析・推計を含みます。
編集責任者:上間喜壽 + Atlas Daily編集部チーム(2026年3月)